結論
まず、あなたを責める記事ではないことをお伝えします。
言えなかったこと。動けなかったこと。それは、意志が弱いからではありません。住宅ローンの問題は、家族の生活そのものに関わります。**話せば相手を不安にさせる。だから言えない。そして時間だけが過ぎる。**多くの方が、同じところで止まっています。
そのうえで、今日からできることをお伝えします。難しいことではありません。
- 届いた郵便を、開けて日付だけ見る
- 今いくらで売れて、いくら残るのかを調べる
- どこか一箇所に、相談する
調べることと、売ることは別です。
そして3つ目については、無料の公的な窓口があります。各市区町村に設置されている自立相談支援機関です。大阪市の場合は、各区に相談窓口があります。
いきなり不動産会社でなくて構いません。
はじめに
最初の引き落としができなかったとき、「来月なんとかしよう」と思われたはずです。次の月も難しかった。督促の封筒が届いた。開けるのが怖くて、引き出しに入れた。そして、また一ヶ月。気がつけば何ヶ月も経っていた。
これは珍しいことではありません。ご相談を受けていると、すぐに相談できず、何ヶ月も一人で抱えてこられた方は少なくありません。
そして、多くの方がおっしゃいます。
「もっと早く相談すればよかった」
でも、今日相談することが、明日より早いのです。
言えなかった理由は、いくつもあります
「家族を不安にさせたくなかった」。家を買ったときの家族の顔を覚えている。それを壊したくなかった。
「なんとかなると思いたかった」。ボーナスが出れば、転職がうまくいけば。希望を持つことは、悪いことではありません。
「恥ずかしかった」。自分の甲斐性のなさだと思ってしまった。「相談する相手が分からなかった」。銀行に言えば家を取り上げられそうで怖い。不動産会社に行けば売らされそうで怖い。
そして、単純に疲れていた。仕事も家のこともあり、考える力が残っていなかった。
どれも、特別な理由ではありません。だからこそ、一人で抱え続けないことが大切です。
それでも、事実だけはお伝えします
厳しいことを一つだけ書きます。
住宅ローンの問題では、時間そのものが選択肢の数です。
滞納が続くと、督促状、催告書、期限の利益の喪失、一括請求、代位弁済、そして競売の手続きへと進む可能性があります。
もし家を売って整理することになった場合でも、買主を探す時間だけではありません。債権者との協議、必要書類の準備、抵当権抹消の調整、契約、決済までの時間が必要です。手続きが進みすぎると、そのための時間そのものが足りなくなることがあります。
これは、脅かすために書いているのではありません。
まだ間に合う可能性があるから、今確認していただきたいのです。
今日、やっていただきたいことは一つだけ
全部やろうとしなくて構いません。
届いた郵便を一通だけ開けて、日付を見てください。
引き出しにしまってある封筒があれば、一通で構いません。「いつ届いたものか」「いつまでに、と書かれているか」を確認してください。
内容証明郵便など重要な書面が届いている場合は、捨てずに封筒も一緒に残してください。
分からないものは、実際より大きく見えます。まず日付を見るだけでも、現在の状況を確認する手がかりになります。
今週、やっていただきたいこと
1.どの段階かを確認する
届いている書面を確認すると、現在どの段階にいるのかを判断する手がかりになります。
| 届いているもの | おおよその意味 |
|---|---|
| 電話・はがき | 滞納初期の連絡 |
| 督促状 | 支払いを求める通知 |
| 催告書・期限の利益喪失予告書 | 次の段階へ進む可能性を知らせる通知 |
| 一括請求・期限の利益喪失通知 | 分割返済を続けられなくなる段階 |
| 代位弁済の通知 | 保証会社等が金融機関へ返済した段階 |
| 裁判所からの書類 | 競売など法的手続きが進んでいる可能性 |
書類の名称や時期は金融機関等によって異なります。日数だけで判断せず、実際の通知内容を確認してください。
2.売却した場合の金額を調べる
調べることと、売ることは別です。
今いくらで売れそうなのか。住宅ローンはいくら残っているのか。売却に必要な費用を差し引くと、完済できるのか、それとも残債が出るのか。
この数字がなければ、どの方法が現実的なのか判断できません。
査定を取ったからといって、売却しなければならないわけではありません。
3.どこか一箇所に相談する
そして、全部を一人で調べようとせず、どこか一箇所に相談してください。
相談先は、不動産会社でなくても構いません。
公的な相談窓口もあります
全国には生活困窮者自立支援制度があります。生活保護に至る前の段階から、生活上のさまざまな困りごとについて相談できる制度です。
各地域には自立相談支援機関が設けられており、相談員が状況を聞き、必要な支援を一緒に考えます。状況に応じて、家計改善支援、就労支援、住居確保給付金などにつながる場合もあります。
窓口だけではなく、地域や状況によっては訪問や同行などの支援につながることもあります。
「まだ生活保護を受けるほどではないから、相談してはいけない」と考える必要はありません。
むしろ、生活がさらに苦しくなる前に相談するための制度です。
大阪府内の相談窓口は大阪府の案内から確認できます。府外の方は、厚生労働省が案内している自立相談支援機関の相談窓口を確認してください。
住まいについて相談できる窓口もあります
大阪府には、住まいについて相談できる公的な窓口もあります。
大阪府住宅相談室
大阪市中央区大手前3丁目2-12 大阪府庁別館1階
電話:06-6944-8269
大阪市立住まい情報センター
大阪市北区天神橋6丁目4-20
相談専用電話:06-6242-1177
相談内容や受付時間等は変更される場合がありますので、利用前に公式情報をご確認ください。
そして、知っておいていただきたいことがあります。生活困窮者自立支援制度では、福祉だけでなく、就労、税務、住宅など関係する部署から必要な支援につなげることも重視されています。
窓口に相談することは、迷惑をかけることではありません。
家族に、どう伝えるか
多くの方が、ここで一番悩まれます。
私がおすすめしているのは、できるだけ数字を確認してから話すことです。
「ごめん、家を手放すことになるかもしれない」だけでは、ご家族も先が見えません。しかし、**「住宅ローンはこれだけ残っている。家はこのくらいで売れる可能性がある。売った場合はこうなる。次の住まいはこう考えている」**と説明できれば、話し合う材料ができます。
ただし、共有名義であれば売却には共有者の同意が必要です。また、連帯保証人や連帯債務者がいる場合、その方にも関係する問題です。この場合は、伝えないまま最後まで進めることはできません。
そして、知られたくないからと何もせず競売まで進んでしまうと、裁判所の手続きによって物件情報が公開される段階があります。
知られたくないからこそ、早い段階で状況を確認することが大切です。
「もう手遅れではないか」と思っている方へ
ご自身だけで「もう無理だ」と決めないでください。
督促や催告の段階なのか、期限の利益を喪失しているのか、代位弁済まで進んでいるのか、すでに競売手続きが始まっているのか。段階によって、できることは変わります。
競売手続きがかなり進んでいれば、時間的にできないこともあります。その場合は、私たちも「できます」とは申し上げません。
しかし、ご本人は競売寸前だと思っていたのに、書類を確認するとまだ手前だった、ということもあります。
だから、まず確認してください。
私たちに決められないこと
正直に書いておきます。返済方法の変更に応じてもらえるかは金融機関の判断です。任意売却に応じてもらえるか、売却価格をどうするか、引越し費用を確保できるか、残った債務をどのように返済するかについても、債権者等との協議や判断が必要になります。
また、法的整理が必要かどうかは弁護士の領域です。公的支援を利用できるかどうかについても、それぞれの制度の要件に基づいて行政等が判断します。
「大丈夫です。なんとかします」とは申し上げません。
分からないことは確認し、できないことはできないとお伝えしたうえで、今残っている選択肢を一緒に整理することが大切だと考えています。
株式会社エルライフの考え方
私たちは不動産会社ですが、「不動産会社だから家を売る」というところから始めません。
このご相談では、それが特に大事だと思っています。やっとの思いで相談に来られた方に、いきなり「売りましょう」と言うのは、私たちのするべきことではありません。
最初に考えるのは、この方にとって最終的に何が一番いいのかです。
家をどうするのか。売ると残債はいくらになるのか。税金の問題はあるのか。法的な整理は必要なのか。次の住まいはどうするのか。そして、その後の生活は成り立つのか。
**段階や状況によっては、売却以外の方法を検討できることもあります。**その場合は、その可能性も含めて考えます。
士業会は「提携先」ではありません
株式会社エルライフは、一般社団法人 士業会と連携しています。
ここには弁護士、司法書士、税理士、行政書士、土地家屋調査士など、それぞれ違う専門分野を持つ人がいます。社員ではありません。案件を回すための紹介先でもありません。
一人の相談者の問題を、必要に応じて違う角度から一緒に考える、チーム・仲間という関係です。
何ヶ月も一人で抱えてこられた方に、今度はいくつもの窓口を回って、同じ話を何度もしていただく。それは大きな負担です。だから、必要な専門家が必要な場面で加わる形にしています。
自己破産について
**「自己破産しないほうがいい」とは申し上げません。必要なケースは実際にあります。**そして、その判断をするのは弁護士です。
お伝えしたいのは順番です。まず、不動産を整理した場合に実際にいくら債務が残るのか、今後の収入と生活はどうなるのかを確認する。そのうえで、必要な法的整理を弁護士と検討する。
売却ありき、自己破産ありきで結論を決めない。これが私たちの考え方です。
よくある相談場面
ケース1:郵便を開けていなかった
届いた封筒を怖くて開けられず、そのままにしていた。確認して初めて、現在の段階と期限が分かったというケースです。
ケース2:思っていたより手前だった
本人は「もう競売になる」と思い込んでいたものの、通知を確認すると、まだその前の段階だったというケースです。
ケース3:時間が足りなかった
手続きがかなり進んだ段階で相談され、債権者との協議や買主探しなど、必要な調整をすべて終えるだけの時間を確保できる見込みが立たなかったケースです。
だからこそ、早く状況を確認することに意味があります。
専門家コメント 宅地建物取引士 松本
「もっと早く来ればよかった」
このお言葉を、何度聞いたか分かりません。そして、そのたびに私は、**「今日、来られたことが大事です」**と申し上げます。
35年以上この仕事をしていますが、住宅ローンの問題が起きて、すぐ相談できる方ばかりではありません。家族を不安にさせたくない。恥ずかしい。まだなんとかなると思いたい。仕事や生活で疲れ切っている。そうして、何ヶ月も一人で抱えてこられる方がいます。
責めるつもりはありません。ただ、事実として、その間にも手続きは進む可能性があります。だから、今日は郵便を一通開けるだけで構いません。日付を見てください。
それから、いきなり私たちのところでなくても構いません。各地域には無料で相談できる公的な窓口があります。どこか一箇所に話してみる。それだけでも、次に何を確認すればいいのかが見えてくることがあります。
そして、家の数字を知りたくなったら、そのときにご相談ください。いくらで売れそうなのか。住宅ローンはいくら残っているのか。それを調べることと、家を売ることは別です。
大事なのは、どこの会社に相談するかだけでなく、誰を自分の味方につけるのかということです。
何ヶ月も一人で考えてこられたのであれば、ここから先まで、一人だけで考える必要はありません。
よくあるご質問
Q1. 何ヶ月も放置してしまいました。もう手遅れですか。
段階によります。**まず届いた書面を確認してください。**ご自身が思っているより手前の段階にいる場合もあります。
Q2. 相談すると、必ず家を売ることになりますか。
いいえ。**相談することと、売却することは別です。**状況によっては、売却以外の方法を検討できる場合もあります。
Q3. 家族に知られずに相談できますか。
相談するだけで家族に連絡がいくわけではありません。ただし、共有者・連帯保証人・連帯債務者などがいる場合、実際に手続きを進める段階では関係してきます。
Q4. お金がないのですが、相談できますか。
株式会社エルライフへのご相談は無料です。また、各地域の自立相談支援機関など、公的な無料相談窓口もあります。
Q5. 不動産会社に行くのは気が重いです。
まずは公的な相談窓口でも構いません。大切なのは、一人で止まったままにしないことです。
Q6. 何を持っていけばいいですか。
届いた通知、住宅ローンの契約書、返済予定表などです。全部揃っていなくても構いません。今あるものから確認してください。
まとめ
- 言えなかったことを、責める必要はありません
- ただし、住宅ローン問題では時間が重要です
- 今日やることは、郵便を一通開けて日付を見る
- 今週は、現在の段階・住宅ローン残債・売却見込額を確認する
- 調べることと、売ることは別です
- 相談先は不動産会社だけではありません
- 各地域に自立相談支援機関などの公的な窓口があります
- 家族に話すときは、できるだけ数字を整理してから
- 競売まで進むと、物件情報が公開される段階があります
- 自分だけで「もう手遅れ」と決めないでください
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