住宅ローンを3ヶ月滞納した この時点で選べる方法と、失う権利

目次

結論

住宅ローンを3ヶ月滞納しているなら、まだ対応できる可能性があります。

ただし同時に、

これまで使えていた選択肢が、ここから一つずつ減っていく可能性がある時期

でもあります。

この先、状況によっては、

督促。

催告。

期限の利益の喪失。

一括請求。

代位弁済。

そして競売手続き。

という方向へ進んでいきます。

ただし、重要なことがあります。

「滞納3ヶ月なら必ずこの通知が来る」という全国共通の決まりはありません。

金融機関、保証会社の有無、住宅ローン契約の内容、これまでの支払い状況などによって時期は変わります。

だから、この記事を読んだら最初に、

住宅ローンの契約書

を確認してください。

そして、今週中にやることは3つです。

① 契約書で期限の利益を失う条件を確認する

② 金融機関からの連絡を放置しない

③ 家を売った場合の金額を確認する

売ると決める必要はありません。

今の自分に何が選べるのかを知るための材料を揃えること。

それが、3ヶ月滞納した今、一番大切です。

3ヶ月という数字で検索した方へ

おそらく知りたいのは、

「あと、どれくらい時間があるのか」

ではないでしょうか。

インターネットを見ると、

「3ヶ月で危険」

「3〜6ヶ月で期限の利益を喪失」

「その後は競売」

といった説明がたくさん出てきます。

読むほど不安になった方もいらっしゃると思います。

しかし、最初に知っていただきたいのは、

住宅ローンを何ヶ月滞納したら必ず何が起きる、という一律のスケジュールではない

ということです。

契約によって違います。

金融機関によって違います。

保証会社の仕組みによっても違います。

ただし、

手続きが進めば、使える時間と選択肢が少なくなる

という方向性は共通しています。

3ヶ月という時期は、その分かれ目に差しかかっている可能性があります。

いま自分がどこにいるのか

一般的な流れとして整理します。

滞納前

まだ毎月の返済ができている段階です。

この段階では、

  • 家計の見直し
  • 借り換え
  • 返済条件の変更
  • 団体信用生命保険の確認
  • 通常売却

など、比較的多くの方法を検討できます。

1〜2ヶ月程度の滞納

金融機関から、

電話。

はがき。

書面。

などで連絡が来ることがあります。

遅れている分を支払えば通常の返済へ戻れる場合もあります。

3ヶ月前後

金融機関からの督促が強くなるケースがあります。

また、契約内容によっては、期限の利益の喪失に関する条件が近づいている可能性があります。

ここが今回の記事の対象です。

その後

滞納が続くと、状況によって、

  • 催告書
  • 期限の利益喪失に関する通知
  • 一括請求
  • 代位弁済
  • 保証会社等からの請求
  • 競売申立て

などへ進む可能性があります。

大切なのは、

「3ヶ月だから何が起きるか」ではなく、自分の契約では次に何が起きるのか

を確認することです。

3ヶ月滞納した今、まだ選べる可能性がある方法

1.滞納分を支払って通常返済へ戻す

滞納している金額、遅延損害金などを支払うことで、通常の返済へ戻せる場合があります。

必要な金額については、金融機関に確認してください。

ただし、

3ヶ月分を払えたとしても、

来月からまた払えなくなる状態なら、根本的な解決にはなりません。

今月だけではなく、今後半年、1年と返済を続けられるのかまで考える必要があります。

2.返済条件の変更を相談する

金融機関によっては、

  • 返済期間を延長する
  • 一定期間の返済額を減らす
  • 返済方法を変更する

などを相談できる場合があります。

ただし、

滞納が長くなるほど、条件変更の審査や相談が難しくなる可能性があります。

そのため、

「もう少し待ってから相談しよう」

ではなく、

相談するなら早いほうがいい

というのが基本です。

また、条件変更後の金利、総返済額、返済期間などは必ず確認してください。

月々の返済が下がっても、総返済額が増える場合があります。

3.団体信用生命保険の保障を確認する

返済が苦しくなった理由が病気や高度障害などの場合は、団体信用生命保険や付帯特約を確認してください。

契約内容によっては、

  • がん
  • 急性心筋梗塞
  • 脳卒中
  • その他の疾病

などが保障対象になっている場合があります。

「自分は対象ではないだろう」

と決めつけず、契約内容を一度確認してください。

4.家を売った場合の金額を調べる

これは必ずやっておいてほしいことです。

調べることと、売ることは別です。

今の家が、

2,500万円で売れそうなのか。

2,000万円なのか。

1,500万円なのか。

そして住宅ローンが、

いくら残っているのか。

この数字が分からなければ、

通常売却で解決できるのか。

任意売却を検討する必要があるのか。

売らずに返済を続けるほうがいいのか。

判断できません。

査定を取ったからといって、売る義務はありません。

判断材料を持つだけです。

5.借り換え

住宅ローンを3ヶ月滞納している場合、借り換えの審査は厳しくなる可能性があります。

そのため、

「借り換えれば解決」

と考えるのは現実的でない場合があります。

ただし、審査基準は金融機関ごとに異なるため、個別判断になります。

ここから失う可能性があるもの

3ヶ月滞納した時点で、

全部を失ったわけではありません。

しかし、ここから時間が経つにつれて、これまで持っていた選択肢が少なくなる可能性があります。

失う可能性があるもの1 信用情報への影響がない状態

長期の延滞などは、信用情報へ登録される可能性があります。

よく、

「ブラックリストに載る」

と言われますが、

ブラックリストという名前の名簿があるわけではありません。

信用情報機関に延滞などの情報が登録され、その後のローンやクレジットカードなどの審査に影響することがあります。

ここで重要なのは、

任意売却をしたから信用情報に登録される、という単純な話ではない

ということです。

住宅ローンの延滞などが原因になります。

失う可能性があるもの2 返済条件について話し合える余地

滞納期間が短いほど、

「今後どう返していくか」

について相談できる余地を残しやすい場合があります。

一方で、

滞納が長期化し、契約上の手続きが次の段階へ進むと、金融機関側も社内ルールに従って処理する必要があります。

担当者が、

「何とかしてあげたい」

と思っても、

担当者一人で決められる話ではありません。

失う可能性があるもの3 期限の利益

ここが大きな分岐点です。

期限の利益

とは簡単に言えば、

住宅ローンを毎月分割で返済できる権利

です。

たとえば残り2,000万円の住宅ローンを、

毎月10万円。

毎月決められた日に。

分けて返していける。

この状態が期限の利益です。

ところが、契約で定められた条件に該当し、期限の利益を失うと、

残っている住宅ローンについて一括返済を求められる可能性があります。

そこで確認してほしいのが、

住宅ローンの契約書です。

契約書や取引規定には、

どのような場合に期限の利益を失うのか

が定められています。

契約によって違います。

だから、

「ネットに3ヶ月と書いてあった」

ではなく、

自分の契約書を見ること

が大切です。

失う可能性があるもの4 銀行が直接の窓口である状態

保証会社付きの住宅ローンでは、一定の手続きが進むと、保証会社が金融機関へ代わりに返済する代位弁済が行われることがあります。

その後は、

請求や交渉の窓口が銀行から保証会社等へ変わる場合があります。

銀行へ相談しても、

「保証会社へ連絡してください」

となることがあるのは、このためです。

担当者が冷たいからではありません。

仕組み上、次の段階へ移っている

ということです。

失う可能性があるもの5 時間

実はこれが一番大きいかもしれません。

お金は、

売却価格。

住宅ローン残高。

収入。

などを確認すれば数字にできます。

しかし、

過ぎた時間は戻せません。

今できる手続きが、

3ヶ月後にもできるとは限りません。

今なら複数の選択肢があっても、手続きが進めば、

「もうこの方法は使えません」

ということが起こります。

今週やることは3つだけ

やることを増やしすぎると、動けなくなります。

だから3つだけです。

1.住宅ローンの契約書を確認する

探してほしい言葉は、

「期限の利益」

「期限の利益の喪失」

です。

どのような場合に分割返済の権利を失うのか確認してください。

分からない場合は、金融機関に、

「私の契約では、期限の利益を失う条件はどうなっていますか」

と聞いてください。

2.金融機関からの連絡を放置しない

電話に出るのが怖い。

怒られる気がする。

払えないと言うのが恥ずかしい。

そう思う方は多いです。

しかし、

連絡が取れない状態を続けることが、問題の解決にはなりません。

「今は払えません」

「今後の返済について相談したいです」

それだけでも構いません。

返済条件の変更について相談できるのか確認してください。

3.家を売った場合の金額を調べる

住宅ローン残高と、不動産の価格。

この2つを並べます。

たとえば、

住宅ローン残高 2,300万円

想定売却価格 2,600万円

なら、通常売却を検討できる可能性があります。

逆に、

住宅ローン残高 2,300万円

想定売却価格 1,800万円

なら、

売っても住宅ローンが残る可能性があります。

その場合は任意売却など、別の方法を検討する必要が出てきます。

数字を出しただけでは何も失いません。

売るかどうかは、その後に決めればいいのです。

なぜ「時間」がそんなに重要なのか

住宅ローンを完済できない状態で不動産を売却する場合、任意売却を検討することがあります。

しかし任意売却は、

「今日相談して、明日終わる」

というものではありません。

一般的には、

  1. 不動産の状況を調査する
  2. 売却可能価格を確認する
  3. 債権者等と協議する
  4. 買主を探す
  5. 購入条件をまとめる
  6. 売却代金の配分を確認する
  7. 後順位抵当権や税金の差押えなどがあれば調整する
  8. 売買契約を締結する
  9. 抵当権などの抹消書類を準備する
  10. 決済・引渡し

という複数の手続きがあります。

そして、

不動産会社だけで決められないことが多くあります。

債権者。

保証会社。

自治体。

他の債権者。

買主。

司法書士。

その他の関係者。

それぞれに確認や調整の時間が必要です。

だから、

相談が遅くなると、方法がなくなるのではなく、方法を実行するための時間がなくなる

ことがあります。

ここが非常に重要です。

「3ヶ月なら必ず間に合う」とは言いません

任意売却のサイトを見ると、

「まだ間に合います」

という言葉をよく見ます。

しかし、私は、

3ヶ月だから必ず間に合います

とは言いません。

契約によって違います。

金融機関によって違います。

すでに届いている書類によっても違います。

ただ、

3ヶ月の時点で相談するのと、競売手続きが進んでから相談するのでは、使える時間が大きく違う

ことは確かです。

だから、

「早く売ってください」

ではありません。

早く状況を確認してください。

ということです。

では、誰に相談すればいいのか

住宅ローンの滞納は、不動産だけの問題ではない場合があります。

住宅ローン。

不動産。

税金。

その他の借金。

離婚。

相続。

次の住まい。

その後の生活。

さまざまな問題が重なります。

弁護士は法律を扱います。

税理士は税務を扱います。

司法書士は登記などを扱います。

不動産会社は不動産価格や売却を扱います。

それぞれ役割があります。

しかし、相談する方から見れば問題は一つです。

「住宅ローンが払えなくなった。これから自分と家族の生活をどう立て直せばいいのか」

ここを中心に考える必要があります。

株式会社エルライフの考え方

株式会社エルライフは不動産会社です。

しかし、

「不動産会社だから家を売る」

というところから始めません。

まず、

今どの段階なのか。

住宅ローンはいくら残っているのか。

家はいくらで売れるのか。

今後も返済できるのか。

税金などの問題はないか。

法的整理が必要なのか。

次に住む場所はどうするのか。

これらを整理します。

その結果、

家を売らずに済む可能性があるなら、その方法を検討します。

不動産会社だからといって、

売却を唯一の答えにする必要はないと考えています。

士業会は「提携先」ではありません

株式会社エルライフは、一般社団法人 士業会と連携しています。

弁護士、司法書士、税理士、行政書士、土地家屋調査士など、

それぞれ違う専門分野を持つ人がいます。

社員ではありません。

案件を回すためだけの紹介先でもありません。

一人の相談者の問題を、必要に応じて違う角度から一緒に考えるチーム・仲間

という関係です。

住宅ローン滞納の問題では、

不動産だけを見ても解決しないことがあります。

他の債務。

税金。

離婚。

相続。

その後の生活。

一つの問題を複数の角度から見る必要があります。

問題が一つなら、考える側も一つのチームであるべきだ。

私たちはそう考えています。

自己破産について

住宅ローンの返済が難しくなると、

「自己破産しかないのでは」

と考える方もいらっしゃいます。

私たちの考えは、

最初から自己破産ありきで決めない

ということです。

これは、

自己破産を否定するという意味ではありません。

自己破産が必要になるケースはあります。

その判断や法的手続きは、弁護士など専門家の領域です。

大切なのは順番です。

まず、

家を売ったらいくらになるのか。

住宅ローンはいくら残るのか。

その他の債務はいくらあるのか。

今後の収入はいくらか。

生活費はいくら必要か。

これらを確認する。

その数字を見たうえで、

必要なら法的整理を検討する。

売却ありき。

自己破産ありき。

リースバックありき。

最初から答えを決めない。

それが私たちの考え方です。

私たちに決められないこと

次のことは、株式会社エルライフだけでは決められません。

  • 返済条件の変更に応じてもらえるか
  • 任意売却に応じてもらえるか
  • 任意売却の条件
  • 売却価格についての債権者側の判断
  • 引越し費用等を売却代金から認めてもらえるか
  • 残った債務をどのように返済するか
  • 税金の差押えを解除してもらえるか

それぞれ、

金融機関。

保証会社。

債権者。

自治体。

などの判断が関係します。

だから、

「必ず大丈夫です」

とは言いません。

できること。

できないこと。

相手の承諾が必要なこと。

それを分けてお伝えします。

よくある相談場面

以下は特定の相談者の実例ではなく、一般的に考えられるケースです。

ケース1 契約書を確認して、急いだほうがよいと分かった

3ヶ月滞納していたものの、

「まだ何ヶ月も大丈夫だろう」

と思っていた。

しかし、契約書の期限の利益に関する条項を確認すると、想像していたより早い段階で手続きが進む可能性があることが分かった。

契約を確認することで、初めて自分の時間軸が見えます。

ケース2 価格を確認し、通常売却を検討できた

「売っても大きな借金が残る」

と思い込んでいた。

しかし査定をすると、住宅ローンを完済できる可能性があることが分かった。

この場合、任意売却ではなく通常売却を検討できます。

ケース3 金融機関への連絡を避けていた

支払えないことを言うのが怖く、電話に出ていなかった。

しかし実際に連絡すると、現在の状況や今後の手続きについて確認できた。

分からないまま逃げ続けるより、現状を確認したほうが次の判断ができます。

専門家コメント 宅地建物取引士 松本

「住宅ローンを3ヶ月滞納しています」

とご相談いただいたとき、私が最初に考えるのは、

まだ何が残っているか

です。

3ヶ月という数字だけでは判断できません。

契約書。

届いている通知。

住宅ローンの残高。

家の価格。

収入。

他の債務。

これを確認します。

住宅ローンの問題では、

一通の通知が来るたびに状況が変わることがあります。

だから、

「まだ大丈夫だろう」

と時間だけが過ぎることが一番もったいないと思っています。

相談が遅れた方を責めるつもりはありません。

電話に出るのが怖い。

家族に言えない。

自分が住宅ローンを払えなくなるとは思っていなかった。

そういう気持ちは当然あると思います。

でも、

時間だけは戻せません。

そして、銀行や保証会社の担当者を敵だと思わないでください。

その方たちにも、組織の中で守らなければならないルールがあります。

ただし、その方たちの役割は、

あなたのその後の生活すべてを考えることではありません。

だから私が大切だと思うのは、

どこの会社に相談するかだけではなく、誰を自分の味方につけるのか

ということです。

まず数字を知る。

今どの段階なのかを知る。

それだけで構いません。

調べたからといって、家を売る必要はありません。

そこから一緒に考えればいいと思っています。

よくあるご質問

Q1.住宅ローンを3ヶ月滞納すると、すぐ競売になりますか?

一律ではありません。

契約、金融機関、保証会社などによって進み方は異なります。

現在届いている書類と契約内容を確認してください。

Q2.滞納分を支払えば元に戻れますか?

元の返済状態へ戻せる場合があります。

必要な金額や条件について金融機関へ確認してください。

Q3.3ヶ月滞納しています。返済条件の変更はまだ相談できますか?

相談できる可能性はあります。

ただし、滞納状況や金融機関の判断によって異なります。

先延ばしせず、確認することをおすすめします。

Q4.家族に知られずに相談できますか?

最初の相談は、お一人でも可能です。

ただし、共有名義や連帯債務など、実際の手続きに進む場合には他の関係者の同意や協力が必要になることがあります。

Q5.相談すると必ず家を売ることになりますか?

いいえ。

返済を続けられる方法があるのか、通常売却なのか、任意売却なのか。

まず状況を確認してから判断します。

Q6.住宅ローンの契約書が見つかりません。

金融機関へ問い合わせてください。

「期限の利益を失う条件について確認したい」

と伝えて構いません。

まとめ

  • 住宅ローンを3ヶ月滞納していても、まだ対応できる可能性はある
  • ただし、「3ヶ月なら必ずまだ大丈夫」とは言えない
  • 次に何が起こるかは、自分の住宅ローン契約で確認する
  • 特に確認したいのが期限の利益の喪失
  • 今週やることは、①契約書確認 ②金融機関へ連絡 ③家の価格を確認
  • 家の価格を調べることと、売ることは別
  • 滞納が長くなるほど、使える時間と選択肢が減る可能性がある
  • 売却ありき、自己破産ありきで決めない
  • 時間を残すことが、選択肢を残すことにつながる

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