結論
買主が契約前に最も重視するのは、「この不動産を本当に買って大丈夫なのか」という最後の確認です。
内覧して、
気に入った。
価格交渉もまとまった。
購入申込みも入った。
それでも、
契約するまでは安心できません。
買主は、
- 物件に聞いていない不具合はないか
- 権利関係に問題はないか
- 境界や道路はどうなっているか
- 設備に故障はないか
- 契約条件に不利な内容はないか
- 住宅ローンは利用できるか
- 引渡し時期は問題ないか
- 契約後に問題が起きた場合どうなるか
などを確認します。
宅建業者が関与する取引では、契約成立までの間に、買主に対して物件や取引条件に関する重要事項説明が行われます。買主はその内容も踏まえて、最終的に契約するかどうかを判断します。
だからこそ、
契約直前になって新しい問題が次々と出てくる状態をできるだけ避けること。
これが、
買主に安心して契約してもらうための大切なポイントです。
「買主から申込みが入りました。もう安心ですよね?」というご相談があります
株式会社エルライフには、このようなご相談があります。
- 購入申込みが入ればもう売れたと考えていいですか?
- 契約前に買主は何を確認しますか?
- 設備の故障はどこまで伝える必要がありますか?
- 境界について聞かれました
- 契約直前で買主がキャンセルすることはありますか?
購入申込みが入ると、
売主様としては、
「売れた」
と思いたくなります。
でも、
まだ契約前です。
ここで買主に、
「聞いていた話と違う」
「こんな問題があるとは知らなかった」
「契約条件が思っていた内容と違う」
と思われると、
せっかくまとまりかけた話が進まなくなることがあります。
重要事項説明では、所有者・権利関係・法令上の制限・取引条件など、購入判断に関係するさまざまな内容が確認されます。
契約前だからこそ、売主側もしっかり準備することが重要です。
① 買主は物件の状態をもう一度確認する
契約前になると、
買主は、
内覧したとき以上に細かく物件を見ることがあります。
例えば、
- 雨漏りはないか
- シロアリ被害はないか
- 建物に大きな不具合はないか
- 給排水に問題はないか
- 増改築した部分はあるか
- 修繕履歴はあるか
などです。
最初の内覧では、
「広いリビングだな」
「ここに住みたいな」
という気持ちで見ていた買主も、
契約前になると、
「本当に何千万円払って大丈夫なのか」
という視点に変わります。
だからこそ、
分かっている不具合については、
契約直前まで隠すのではなく、
早い段階で整理しておくことが大切です。
② 買主は重要事項説明の内容を見る
契約前には、
非常に重要な確認があります。
それが、
重要事項説明です。
宅建業者が媒介する場合などには、契約成立までの間に、宅地建物取引士から買主へ重要事項説明書を交付し、物件や取引条件について説明することが義務付けられています。
例えば、
- 所有者
- 抵当権などの権利関係
- 道路
- 法令上の制限
- 契約解除
- 違約金
- 住宅ローンに関する条件
など、
買主が購入を判断するための重要な内容を確認します。
ここで、
初めて聞く重要な話が出てくれば、
買主は不安になります。
だからこそ、契約直前ではなく、できるだけ早い段階から物件について調査し、説明できる状態にしておくことが重要です。
③ 買主は設備や付帯物について確認する
中古住宅では、
建物だけではなく、
設備も確認されます。
例えば、
- 給湯器
- キッチン設備
- 浴室設備
- トイレ
- エアコン
- 照明
- カーテン
- 物置
などです。
何を残すのか。
何を撤去するのか。
正常に使えるのか。
故障しているのか。
こうした内容が曖昧なままでは、
引渡し後のトラブルにつながる可能性があります。
中古住宅の契約では、建物の状況や売買対象となる設備・工作物、その状態、契約不適合責任に関する内容なども重要な確認事項になります。
契約前に、残すもの・撤去するもの・不具合があるものを整理しておくことが大切です。
④ 買主は契約条件を確認する
価格が決まったから、
それで契約条件がすべて決まったわけではありません。
買主は、
- 売買価格
- 手付金
- 住宅ローンに関する条件
- 契約解除
- 違約金
- 引渡し時期
- 固定資産税等の精算
- 契約不適合責任
- その他の特約
なども確認します。
不動産売買では、契約後は基本的に契約書に定められた内容に沿って取引が進みます。そのため、売主・買主双方が契約内容を十分に理解したうえで契約することが重要です。
売主にとって良い条件だけではなく、買主も納得できる条件を整えることが、スムーズな契約につながります。
⑤ 買主は「売主が信用できるか」も見ている
これは、
契約書には書かれない部分です。
しかし、
私は非常に大切だと思っています。
質問したことに、
きちんと答えてくれる。
不具合を隠さない。
分からないことは、
「分からないので確認します」
と言ってくれる。
約束したことを守る。
こうした積み重ねが、
買主の安心につながります。
何千万円という買い物です。
最後は、
「この売主様、この不動産会社なら安心して契約できそう」
と思っていただくことも大切です。
高く売るということは、
買主を言いくるめることではありません。
買主に安心して価値を認めてもらい、納得して購入していただくことです。
高く売るための注意点
契約直前だからといって、買主に不利な情報を隠して契約を急がせないことが大切です。
せっかく高い価格で買ってくれる買主が見つかった。
だから、
余計なことは言いたくない。
そう考えてしまうかもしれません。
しかし、
引渡し後に、
「聞いていなかった」
「説明されていなかった」
という問題になれば、
結果として売主様にとって大きな負担になる可能性があります。
高く売ることと、
問題を隠すことは、
まったく違います。
分かっていることは正しく伝える。そのうえで、その不動産が持っている価値を最大限に評価してもらう。
この考え方が大切です。
売却全体を見ながら判断することが重要
契約前には、
- 売買価格
- 重要事項説明
- 売買契約書
- 物件の状態
- 設備
- 境界
- 道路
- 権利関係
- 住宅ローン
- 引渡し時期
- 契約不適合責任
- 特約
など、
多くのことを確認します。
だからこそ、
買主が見つかってから慌てて調べるのではなく、
売却を始める段階から、契約までを見据えて準備することが重要です。
査定する。
売出価格を決める。
広告する。
内覧してもらう。
購入申込みが入る。
価格交渉する。
そして契約する。
全部つながっています。
「買主を見つけること」だけではなく、「安心して契約していただくところまで」を考えて販売することが、少しでも良い条件での不動産売却につながります。
専門家コメント
株式会社エルライフ 代表 松本 淳一
35年以上、不動産売却に携わる中で、
購入申込みが入ると、
売主様から、
「これでもう売れましたよね?」
と言われることがあります。
私は、
「まだ契約までは気を抜けません」
とお伝えします。
なぜなら、
買主様にとって、
ここからが最後の確認だからです。
本当にこの家でいいのか。
聞いていない問題はないのか。
契約条件は大丈夫なのか。
住宅ローンは大丈夫なのか。
引渡しは予定どおりなのか。
何千万円という買い物です。
不安になるのは当然です。
だからこそ、
私は、
契約前ほど丁寧に対応することが大切だと思っています。
売主様にとって不利に見えることでも、
伝えなければならないことは伝える。
分からないことは調べる。
設備の状態も確認する。
契約条件も確認する。
そして、
買主様の疑問を一つずつ減らしていく。
高く売るということは、
何かを隠して高く買ってもらうことではありません。
物件の状態を正しく理解していただいたうえで、それでも「この家が欲しい」と思っていただくこと。
私は、
それが本当の意味で、
不動産を高く売るということだと思っています。
株式会社エルライフでは、35年以上の不動産経験と一般社団法人 士業会との連携を活かし、不動産・相続・税務・法律までワンチームでサポートしています。
私たちは、購入申込みが入ったら終わりではなく、契約・決済・引渡しまでを一つの不動産売却として考える。買主様の不安を一つひとつ確認し、売主様が伝えるべきことは正しく伝え、そのうえで大切な不動産の価値を最大限に理解していただく。そして最後に「安心して契約できて良かった」「値下げだけに頼らなくて良かった」「この価格で売れて良かった」「あなたにお願いして本当に良かった」と心から言っていただける不動産売却を、一件一件責任を持ってお手伝いいたします。
FAQ
Q1. 購入申込みが入れば、もう売れたと考えていいですか?
いいえ、購入申込みが入った段階では、まだ売買契約は成立していません。
購入希望者から申込みが入ると、
売主様としては、
「これで売れた」
と思われるかもしれません。
しかし契約前には、
- 売買価格
- 手付金
- 住宅ローン
- 引渡し時期
- 設備の状態
- 物件の不具合
- 契約条件
- その他の特約
などを確認していきます。
その過程で条件がまとまらなければ、契約に至らない場合もあります。
購入申込みはゴールではなく、売買契約へ向けた大切な段階の一つと考えましょう。
Q2. 契約前に不具合が見つかったら値下げしないといけませんか?
必ずしも、すぐ値下げする必要はありません。
まず、
どのような不具合なのかを確認します。
例えば、
- 設備の故障
- 建物の劣化
- 雨漏り
- 給排水の不具合
- 境界に関する問題
- その他、買主の判断に影響する事項
などです。
そのうえで、
修理するのか。
現状のまま引き渡すのか。
契約条件で調整するのか。
価格について話し合うのか。
を考えます。
「問題が見つかった=値下げ」ではなく、その問題が不動産全体の価値にどの程度影響するのかを確認してから判断することが大切です。
Q3. 契約前に設備の故障は買主へ伝えた方がいいですか?
把握している不具合については、正しく伝えることが大切です。
例えば、
給湯器。
エアコン。
食器洗浄乾燥機。
浴室乾燥機。
温水洗浄便座。
インターホン。
などに不具合がある場合です。
高く売りたいからといって、
故障していることを隠すのではありません。
現在の状態を正しく伝えたうえで、その不動産が持っている価値を評価してもらうことが重要です。
引渡し後のトラブルを防ぐためにも、契約前に設備の状態を整理しておきましょう。
Q4. 契約直前に買主から値下げ交渉されたら応じるべきですか?
必ず応じなければならないわけではありません。
まず、
なぜ値下げを希望しているのかを確認します。
- 周辺相場との比較なのか
- 修理費用を考えているのか
- リフォーム費用なのか
- 住宅ローンの予算なのか
- 他の物件と比較しているのか
理由によって対応は変わります。
例えば、
100万円の値下げ交渉があったから、
そのまま100万円下げる。
ではありません。
売主様にとって、
100万円を貯めることは簡単なことではありません。
だからこそ、
購入希望者の希望を聞きながらも、売主様の大切な資産を守るために、価格だけではなく引渡し時期やその他の条件も含めて交渉することが重要です。
Q5. 株式会社エルライフでは契約前の価格交渉や条件交渉も相談できますか?
はい、ご相談いただけます。
株式会社エルライフでは、
購入申込みが入ったら終わりではなく、
契約・決済・引渡しまでを一つの不動産売却として考えています。
そのため、
- 35年以上の不動産経験を活かした価格交渉
- 購入申込み内容の確認
- 契約条件の整理
- 設備や物件状態の確認
- 引渡し条件の調整
- 購入希望者との条件交渉
- 契約から引渡しまでのサポート
などを行っています。
さらに、一般社団法人 士業会と連携し、
- 弁護士
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- 税理士
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- 土地家屋調査士
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がワンチームとなり、不動産・相続・税務・法律まで総合的にサポートいたします。
まとめ
不動産売却では、購入申込みが入ってから契約するまでの対応が非常に重要です。
買主は契約前になると、
- 本当にこの不動産を買って大丈夫なのか
- 聞いていない不具合はないか
- 設備はどうなっているのか
- 権利関係に問題はないか
- 契約条件は納得できる内容か
- 住宅ローンは利用できるか
- 引渡しは予定どおりできるか
などを改めて確認します。
売主様としても、
購入申込みが入ったからといって、
すぐに安心するのではありません。
買主の不安を一つずつ解消しながら、売主様にとっても納得できる価格・条件で契約することが大切です。
高く売ることと、
問題を隠すことは違います。
伝えるべきことは正しく伝える。
そのうえで、
大切な不動産の価値をきちんと理解してもらう。
それが、契約後のトラブルを防ぎながら、少しでも良い条件で売却することにつながります。
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売主様へ
35年以上、不動産売却に携わる中で、
購入申込みが入った売主様から、
「これでもう売れましたよね?」
と言われることがあります。
もちろん、
購入申込みが入ることは、
大きな一歩です。
でも、
私は、
「まだ契約までは気を抜けません」
とお伝えします。
なぜなら、
買主様にとって、
ここからが最後の確認だからです。
本当にこの家でいいのか。
聞いていない問題はないのか。
設備は大丈夫なのか。
契約条件は大丈夫なのか。
住宅ローンは大丈夫なのか。
引渡しは予定どおりなのか。
何千万円という買い物です。
慎重になるのは当然です。
そして、
ここで買主様から、
「あと100万円下げてください」
と言われることもあります。
でも、
私は、
簡単に、
「分かりました」
とは言いたくありません。
100万円。
売主様が100万円を貯めるために、
どれだけ働かなければならないでしょうか。
毎月3万円貯めても、
100万円を貯めるには約3年かかります。
それを、
契約直前だから。
買主様が言っているから。
という理由だけで、
簡単に下げていいのでしょうか。
もちろん、
値下げした方が良い場合もあります。
でも、
その前に、
なぜ値下げが必要なのか。
本当にその金額を下げなければ契約できないのか。
価格以外の条件で調整できないのか。
もう一度考える。
私は、そこまで考えるのが売主様側の不動産会社の仕事だと思っています。
ただし、
高く売るために、
不具合を隠す。
都合の悪いことを言わない。
これは違います。
伝えるべきことは、
きちんと伝える。
分からないことは、
調べる。
設備の状態も確認する。
契約条件も確認する。
そのうえで、
買主様にも安心して、
「この不動産を買いたい」
と思っていただく。
売主様の利益を守ることと、買主様に誠実に向き合うことは、両立できると私は考えています。
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