結論
任意売却の相談先を探すと、多くのサイトに**「実績豊富な会社を選びましょう」「親身になってくれる会社を選びましょう」**と書かれています。
しかし、実績○件という数字が本当なのか、初めて相談する方には簡単には確認できません。「親身」という言葉も、人によって感じ方が違います。
そこでこの記事では、相談したその場で、自分自身で確かめられる基準だけをお伝えします。
確認してほしいのは、次の7つです。
- 今どの段階なのかを、書類を見ながら説明できるか
- 「それは誰が決めるのですか」に答えられるか
- 売らない選択肢も検討するか
- 売却見込額と残債の数字を出せるか
- 家を売った後の話まで説明するか
- 媒介契約を必要以上に急がせないか
- できないことを「できない」と言えるか
任意売却では、会社名だけではなく、実際にあなたを担当する人を見ることが大切です。
任意売却の会社が多すぎて、選べない
「任意売却 相談」「任意売却 業者」などで検索すると、多くの会社や相談窓口が出てきます。
どのサイトにも、
「任意売却専門」
「豊富な実績」
「秘密厳守」
「親身に対応」
と似たような言葉が並んでいます。
これでは、相談する側は何を基準に選べばいいのか分かりません。
さらに、競売手続きなどが進むと、不動産会社等からダイレクトメールや訪問を受けるケースがあります。過去には、近隣に事情が分かるような方法で訪問するなど、強引な営業方法が問題視された例もあります。
もちろん、任意売却を扱う会社すべてがそのような会社という意味ではありません。誠実に仕事をしている会社も数多くあります。
だからこそ、
「悪い会社を当てる」のではなく、自分で確かめられる基準を持つ。
そのほうが現実的です。
なぜ突然DMや訪問が来るのか
競売手続きが進んだ場合、不動産の登記などから一定の情報を確認できることがあります。
その情報をきっかけに、不動産会社などから郵便や訪問営業を受けることがあります。
そのため、
「なぜ自分の家のことを知っているのか。個人情報が漏れたのではないか」
と不安になる方もいます。
必ずしも情報漏えいとは限りません。公開されている登記情報などをもとに営業活動をしているケースがあるからです。
ただし、突然訪問されたからといって、その場で契約する必要はありません。
「今日決めてください」
「今ここで印鑑を押してください」
と急かされたとしても、いったん持ち帰って確認して構いません。
視点1 今どの段階なのかを、書類を見て説明できるか
まず確認してほしいのは、ここです。
住宅ローン問題では、
督促。
催告。
期限の利益の喪失。
一括請求。
代位弁済。
競売開始決定。
と、状況によって段階が進んでいきます。
現在どこにいるかによって、使える時間も方法も変わります。
相談するときは、金融機関、保証会社、裁判所などから届いた書類を見せて、こう聞いてください。
「私は今、どの段階ですか?」
良い担当者なら、
「この書類は○○という意味です」
「今はこの段階です」
「次に起きる可能性があるのはこれです」
「その前に確認すべきことはこれです」
という順番で説明できるはずです。
書類をほとんど確認せず、
「まだ大丈夫です。任せてください」
だけで終わるなら、一度立ち止まってもいいと思います。
視点2 「それは誰が決めるのですか」に答えられるか
私は、これが最も重要な質問だと思っています。
任意売却では、不動産会社だけでは決められないことが数多くあります。
たとえば、
任意売却そのものに応じてもらえるか。
どの価格なら抵当権の抹消に応じてもらえるか。
売却代金から一定の費用を認めてもらえるか。
残った債務をどのように返済するのか。
税金の差押えについてどう調整するのか。
こうしたことには、金融機関、保証会社、債権者、自治体などの判断が関係します。
だから、
「引越し費用は出ます」
「必ず任意売却できます」
「残債は月5,000円で大丈夫です」
と言われたら、こう聞いてください。
「それは誰が決めるのですか?」
そこで、
「私たちが決めます」
ではなく、
「最終的には債権者等の判断です。私たちはこういう資料を揃えて、このように協議します」
と説明できるかどうか。
ここを見てください。
視点3 売らない方法も検討するか
任意売却の相談に行ったからといって、必ず任意売却をする必要はありません。
まず家を査定してみると、住宅ローンを完済できる可能性があることもあります。その場合、通常売却で整理できる可能性があります。
また、まだ滞納前や滞納初期であれば、金融機関と返済条件について相談する余地がある場合もあります。
つまり、
任意売却が必要ない人もいる
ということです。
相談したらすぐ、
「では任意売却しましょう」
と話が始まった場合は、
「売らずに済む可能性はありませんか?」
と聞いてみてください。
あなたにとって最善の方法を考えているのか、売却そのものを目的にしているのかを見る質問になります。
視点4 数字を出せるか
任意売却を判断する前に、最低限確認したい数字があります。
今の家はいくらで売れそうなのか。
住宅ローンなどはいくら残っているのか。
売った場合、どの程度の債務が残りそうなのか。
この数字です。
正確な売却価格は実際に売れるまで確定しません。しかし、周辺の成約事例、物件の状態、市場の状況などをもとに、一定の幅を持った査定価格を説明することはできます。
たとえば、
「2,000万円です」
と一つの数字だけ言うのではなく、
「早期売却ならこのあたり、通常の販売ならこの範囲が現実的です。その根拠はこの成約事例です」
と説明できるか。
ここを見てください。
査定することと、売ることは別です。
数字を確認してから判断すればいいのです。
視点5 売った後の話をするか
任意売却は、売買契約をして鍵を渡したら終わりではありません。
むしろ相談されている方にとって大切なのは、
その後どう生活するのか
という部分です。
売ったあと住宅ローン等はいくら残るのか。
残った債務についてどこへ相談するのか。
次の家はどうするのか。
引越しはいつするのか。
連帯保証人はどうなるのか。
離婚が絡んでいる場合はどう整理するのか。
税金の問題は残っていないか。
こうした話を、こちらから聞かなければ説明してくれないのか、それとも先に説明してくれるのか。
ここは担当者を見る大きなポイントです。
家を売ることは目的ではありません。
家を整理したあと、生活を立て直すことが本当の目的です。
視点6 媒介契約を急がせないか
不動産会社へ売却を依頼するときは、媒介契約を結びます。
主な種類は、
一般媒介契約
専任媒介契約
専属専任媒介契約
です。
一般媒介は複数の会社へ依頼できる形があります。一方、専任媒介・専属専任媒介は原則として一社への依頼になります。
そのため、内容を理解せずに、
「とりあえずここへ署名してください」
と言われたまま契約しないでください。
確認したいのは、
どの種類の媒介契約なのか。
契約期間はどれくらいなのか。
報告はどのように行われるのか。
途中で事情が変わった場合はどうなるのか。
ということです。
任意売却には時間の制約があります。
しかし、時間がないことと、
説明せずに契約を急がせることは別です。
本当に時間がないのであれば、
「何月何日までに何をしなければならない」
と具体的に説明してもらってください。
視点7 できないことを「できない」と言えるか
最後は、これです。
任意売却は、必ず成功する手続きではありません。
債権者等が条件に応じないことがあります。
共有者が売却に同意しないことがあります。
税金の差押えなどの調整ができない場合もあります。
買主が決まらないこともあります。
そして、競売手続きがかなり進んでいれば、任意売却を完成させるための時間そのものが足りない場合があります。
だから、
「絶対できます」
と言うことはできません。
「この条件なら可能性があります」
「これは相手の判断です」
「ここまで進んでいるので、時間的に難しい可能性があります」
と、不都合な話までしてくれるか。
私は、そこを見ていただきたいと思っています。
良いことだけを言う人より、できない可能性を説明できる人を見る。
任意売却では特に重要です。
仲介手数料についても確認する
不動産売買の仲介手数料には、宅地建物取引業法上の上限があります。
売買価格が400万円を超える一般的な取引では、速算式として、
売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税
が上限額の目安として使われます。
たとえば2,000万円の売却なら、税抜66万円、これに消費税を加えた金額が上限の目安です。
任意売却の場合、仲介手数料を売却代金の中から認めてもらえるケースがあります。ただし、どの費用をどのように配分するかについては債権者等の確認が必要になります。
「任意売却だから特別に高額な仲介手数料が必要」
という説明を受けた場合は、内訳を確認してください。
客観的に確認できることもあります
担当者との会話だけでなく、外から確認できる情報もあります。
宅地建物取引業の免許
不動産会社が不動産仲介を行うには、宅地建物取引業の免許が必要です。
会社のホームページや事務所などに、
大阪府知事(○)第○○号
国土交通大臣(○)第○○号
などの免許番号が表示されています。
まず基本情報として確認してください。
行政処分の履歴
行政処分等については、国土交通省などが公開している情報から確認できる場合があります。
会社名が気になる場合には、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトなど、公的な情報を確認するという方法があります。
口コミだけで判断するより、客観的な確認材料になります。
実際に会える場所があるか
任意売却では、金融機関、保証会社、裁判所などから届いた書類を見ることが重要です。
電話やオンライン相談も便利ですが、必要な場合に書類を一緒に確認しながら対面で相談できる場所があるかも、選択基準の一つになります。
相談するときに持って行きたいもの
全部揃っていなくても構いません。
まず、あるものだけ持って相談してください。
特に役立つのは、
- 住宅ローンの契約書や返済予定表
- 金融機関・保証会社・債権回収会社から届いた書類
- 裁判所から届いた書類
- 固定資産税の納税通知書
- 他に借入れや税金滞納がある場合、その資料
です。
通知類は、できれば封筒も一緒に保管してください。
誰から、いつ、どのように届いたのかを確認する材料になる場合があります。
株式会社エルライフはどう考えているのか
ここまで「会社を選ぶ7つの視点」を書きましたので、私たち自身の考え方もお伝えします。
株式会社エルライフは不動産会社です。
しかし、「不動産会社だから家を売る」というところから始めません。
まず、
今どの段階なのか。
家はいくらで売れそうなのか。
住宅ローン等はいくら残っているのか。
売ればどれくらい債務が残るのか。
税金などの問題はないか。
法的整理を検討する必要があるのか。
次の住まいはどうするのか。
その後の生活は成り立つのか。
こうしたことを整理します。
その結果、
任意売却をしないほうがいい場合もあります。
通常売却で解決できるなら任意売却は必要ありませんし、売らずに済む可能性があるなら、その方法も確認します。
士業会は「提携先」ではありません
株式会社エルライフは、一般社団法人 士業会と連携しています。
弁護士、司法書士、税理士、行政書士、土地家屋調査士など、それぞれ異なる専門分野を持つ人たちがいます。
社員ではありません。
また、単に案件を回すためだけの紹介先という関係でもありません。
一人の相談者の問題を、必要に応じて違う角度から一緒に考える、チーム・仲間という関係です。
住宅ローンの問題は、不動産だけで終わらないことがあります。
残債。
税金。
離婚。
相続。
法律問題。
次の住まい。
その後の生活。
相談される方が、それぞれの専門家を一人ずつ探し、同じ説明を最初から何度もすることは大変です。
だから、必要な専門家が必要な場面で加わる形を大切にしています。
問題が一つなら、考える側も一つのチームであるべきだと思っています。
自己破産について
任意売却の相談では、自己破産という言葉が出てくることがあります。
しかし株式会社エルライフが、
「自己破産したほうがいい」
あるいは、
「自己破産しないほうがいい」
と判断することはありません。
必要なケースはあります。
その法的な判断は弁護士などの専門家が行います。
私たちがまず確認するのは、
家はいくらで売れるのか。
住宅ローン等はいくら残っているのか。
売却したら債務はいくら残るのか。
という不動産の数字です。
その数字を確認したうえで、必要なら法律の専門家と法的整理について考えます。
売却ありき、自己破産ありき、リースバックありきで最初から結論を決めない。
これが私たちの考え方です。
よくある相談場面
ケース1 突然DMが増えて不安になった
競売に関する手続きが進んだあと、複数の不動産会社等から手紙や訪問があり、「なぜ家の事情を知っているのか」と不安になった。まず、公開情報などをもとに営業を受ける場合がある仕組みを説明し、その場で契約する必要はないことを確認したというケースです。
ケース2 引越し費用の金額だけで会社を比べていた
複数の会社から「引越し費用を確保できます」と説明され、金額で比較していた。しかし、実際に誰がその費用を認めるのかを確認すると、不動産会社だけで決められる話ではないことが分かり、会社選びの基準が変わったというケースです。
ケース3 そもそも任意売却が必要なかった
任意売却を前提に相談していたものの、家の査定額と住宅ローン残高を確認すると、売却代金で完済できる可能性があった。そこで、通常売却を検討できると分かったというケースです。
※いずれも特定のお客様の実例ではなく、一般的に起こり得る相談場面です。
専門家コメント 宅地建物取引士 松本
「どこの会社がいいですか」
と聞かれることがあります。
私は、会社名より先に、
「担当者を見てください」
とお伝えします。
なぜなら、
「実績○千件」
「成功率○%」
と書かれていても、その数字を相談される方がその場で確かめることは難しいからです。
でも、
できないことを、できないと言えるか。
これは、その場で分かります。
任意売却では、
債権者の承諾。
販売価格。
引越し費用。
残った債務の返済条件。
税金の差押え。
など、私たち不動産会社だけでは決められないことがたくさんあります。
だから、
「大丈夫です」
とだけ言うのではなく、
「これは私たちができることです。これは債権者が決めることです。これは法律の専門家に確認することです」
と分けて説明してくれる担当者かどうか。
そこを見てください。
良い話を聞けなかったことより、後になって『聞いていた話と違う』となることのほうが困ります。
その頃には、相談先を変える時間が残っていないこともあるからです。
そして、任意売却は確かに時間との関係があります。
しかし、
時間がないから、今日契約してください
という話と、
残された時間を説明すること
は別です。
本当に時間が厳しいのであれば、
「この手続きに何日、この調整に何日、買主探しにこの程度必要なので、この日までに動く必要があります」
と説明するのが仕事だと思っています。
この記事を読まれたからといって、株式会社エルライフへ相談していただく必要はありません。
この7つの視点を持って、どの会社でも構いませんから聞いてみてください。
そして、自分が納得できる担当者を選んでください。
大事なのは、どこの会社に相談するかだけではなく、誰を自分の味方につけるのか。
家を売ることまで考える人なのか。
家を売った後の債務、次の住まい、その後の生活まで考えてくれる人なのか。
そこを見ていただきたいと思います。
よくあるご質問
Q1.銀行や保証会社が指定する不動産会社に頼まないといけませんか。
個別の案件や債権者側の運用によりますが、相談する不動産会社を自分で探すケースもあります。任意売却を進める際には債権者側への確認や届出等が必要になることがあるため、現在の債権者へ確認してください。
Q2.相談したら、その会社へ依頼しなければなりませんか。
いいえ。相談と媒介契約は別です。説明を聞いて納得してから決めてください。
Q3.複数の会社へ相談してもいいですか。
相談段階では比較して構いません。実際の媒介契約は種類によって異なり、一般媒介では複数社へ依頼できる形がありますが、専任媒介・専属専任媒介は原則として一社との契約になります。
Q4.DMや訪問を断ってもいいですか。
もちろん構いません。その場で契約する必要はありません。説明を聞く場合でも、契約内容を理解してから判断してください。
Q5.任意売却の仲介手数料はいくらですか。
一般的な売買では法律上の上限があります。任意売却の場合、売却代金から仲介手数料を認めてもらえることがありますが、債権者等との確認が必要です。
Q6.「引越し費用は必ず出ます」と言われました。本当ですか。
必ずとは言えません。売却代金からどの費用を認めてもらえるかは、債権者等との協議・判断によります。
Q7.相談は無料ですか。
株式会社エルライフへの住宅ローン・任意売却に関するご相談は無料です。
まとめ
任意売却の相談先を選ぶとき、「実績が多い」「親身そう」という言葉だけでは判断できません。
その場で確認してください。
今、自分はどの段階なのか説明できるか。
誰が決めることなのか説明できるか。
売らない選択肢も検討するか。
家の価格と残債の数字を出せるか。
売った後の話までするか。
契約を必要以上に急がせないか。
できないことを、できないと言えるか。
この7つです。
そして、宅建業免許などの基本情報や行政処分等の公開情報も、必要に応じて確認してください。
会社の看板だけではなく、目の前の担当者を見る。
任意売却では、そこが非常に大切です。
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